意外と知らない?日本最初のクレジットカードとその歴史

意外と知らない?日本最初のクレジットカードとその歴史

今や誰もが持っているクレジットカードですが、どのように誕生したのかご存知の方は少ないと思います。クレジットカードの発祥の国はアメリカであり、ダイナースクラブと言う会社が初めてクレジットカードを発行しました。

では、日本ではどうだったかと言うと、ダイナースクラブとJCBが富裕層をターゲットにクレジットカードの発行を開始したのです。

元々日本にも、クレジットと言うシステムは存在していましたし、月賦方式(分割払いのこと)での買い物は江戸時代からあったのです。

歴史を遡ると、クレジットカードの物語も面白いことが判ってきますよ。今回は、意外と知られていないクレジットカードの歴史をご紹介しましょう。

江戸時代から存在していた月賦販売法って知ってた!?

月賦販売という言葉を知っているのは、50代後半の方でしょうね。今から30年前ではクレジットカードではなく、月賦で物を購入してたのです。

そのルーツは、江戸時代にまで遡ります。つまり、江戸時代から現金一括払いでなく月賦で分割払いと言うシステムができ上っていたのです。

月賦のルーツは愛媛県今治市!桜井漆器の販路拡大で誕生

愛媛県今治市と言えば、今治タオルがブランドとして有名ですが、江戸時代末期には「桜井漆器」がブランドとして人気を集めていました。

  • 桜井漆器は高級品で値段も高価だった
  • 椀船と呼ばれる船行商が盛んになる
  • 船行商では、現金一括でなく月賦払いを採用
  • 安く有名な「桜井漆器」を購入することができた
  • 後に、この販売法が世の中に広まり月賦販売が定着した

簡単に説明するとこのような内容になりますね。つまり、高級品で値段が高いので「分割でいいよ」と始めた商売が、月賦販売法として定着したのです。

この話の証拠は今治市に建てられた「月賦販売発祥記念の碑」

月賦販売発祥記念の碑

この碑が江戸時代末期から、月賦販売が存在していたことを証明するものです。内容については、次に碑に刻まれた文章をご紹介しておきます。

 月賦販賣發祥記念の碑當地方は伊豫國府が置かれ文化並に經済交通の中心があった
 徳川の末期櫻井漆器の販路開拓を目指す多数の帆船が遠く九州中國近畿等の地に活躍した椀舟と呼ばれたこれらの船行商の殆どが分割擴の便法を用いて販路の擴大に成功した
 この販賣方法は次第に發展を遂げ我が國における今日の月賦販賣方式を生むに至った濫觴の地である
 菅公鎮座一千年祭の佳辰に當業者相謀りこの地に一碑を建立してその發祥を記念する次第である
  昭和三十八年五月三日
    全国月賦百貨店連合會

月賦販売は現在では「ローン」と言う言葉に置き換わっていますが、「割賦販売法」が、ローンやクレジットカードに対しての法律となっているのです。

教授に確認したいのですが、本当に江戸時代からクレジットカードの仕組みが日本にあったのですか?

だとしたら、クレジットカード発祥の国は日本だと思うのですが・・

クレジットカードの仕組みとは少し違いますね。

月賦と言う、1回で全額払わなくていいよ!って仕組みがあったと言うことです。大きな違いは当然ですが、人が回収していたことですね。

クレジットと言う言葉が日本で誕生したのは1960年

月賦販売からクレジットと言う言葉に変わったのは、1960年に株式会社 丸井が取り入れたことで広まりました。

そう「〇|〇|」のマークで有名な、丸井です。

クレジットと言ってもカードではない!クーポン券

クレジットと言う呼び方に変わっても、内容はこれまでの月賦販売となんら変っていません。しかし、素材は紙ですが、クレジット・プレート、クレジットカードとも呼ばれていたのです。

  • 商品をクレジットで購入する
  • 後日、集金員が回収に回るかお客自身が店に支払いに来る
  • 当然、丸井でしか利用できない

と、クレジットと言えど支払いの手段は上記のとおりでした。

お得意様への特別会員証!持っているのがステータス

とは言っても、当時のマルイは高級百貨店です。そこのクレジット・プレートを持っている!と言うことが、ステータスの一種になっていたのは間違いありませんね。

丸井のクレジット・プレートは商法として見事に的中して、上位顧客を取り込むことに成功しました。そうなると、他の一流百貨店も指をくわえて見ているはずがありませんよね。

高島屋も同様にクレジットカードを導入し始める

この画像が1960年12月に高島屋が三和銀行と提携して発行した、高島屋のクレジットカードです。

高島屋のクレジットカード

  • 三和銀行が利用希望者に10万円または5万円の定期預金をさせる
  • 預金額と同等の利用枠でクレジットカードを発行
  • 利用者は、現金を持たずに高島屋で買い物ができる

当時の新聞ではクレジットカードでなく「お買い物カード」として紹介され、三和銀行での商品名称も「お買い物預金制度」となっていました。

現代人の視点から見ると、陳腐なものに見えてしまうかも知れません。

ですが、当時はこのカードを持っているだけで「お金持ちだー」と周りから見られるステータスが魅力だったのです。

1961年同時期に、JCBとダイナースクラブがクレジット業務開始

さて、1961年に入ってここからクレジットカードが初めて発行されることとなります。

クレジットカード業務に参入したには、日本ダイナースクラブと日本クレジットビューロー(現在のJCB)の2社のみでした。

先行はダイナースクラブ!1960年12月創立

ダイナースクラブ

日本ダイナースクラブは1960年12月に創立され、日本でいち早くクレジットカード業務に着手しています。当時の会員募集の内容を覗いてみましょう。

ダイナースクラブ

  • 収入、生活の安定性、将来性の3点を重視
  • 社会的信用の高い方をターゲットにする
  • アメリカのダイナースクラブと同等の審査基準

と、富裕層をターゲットにしていることが判りますね。

世界で初めてプラスティック製のクレジットカードを発行した

1960年代当時は、アメリカでもクレジットカードは紙製のものでした。それをプラスティック製に変えたのは、日本ダイナースクラブなのです。

これを採用して、ほとんどのクレジットカード会社がプラスティック製に変更して行きました。発祥の国はアメリカですが、技術は日本が提供したこととなるので、ちょっと嬉しいですね。

後攻はJCB!当時の名前は「日本クレジットビューロー」

日本クレジットビューローは、1961年1月25日に設立されています。先のダイナースクラブとは、ほぼ1年遅れとなりますがクレジットカードの発行自体は、ダイナースクラブとほぼ同時期なのです。

日本クレジットビューローの入会基準

今度は、日本クレジットビューローの入会基準も覗いてみましょう。

  • 中小企業の経営者、上場会社の部課長、官庁の課長以上
  • 1,000円の入会金を設定
  • 三和銀行の取引先企業を対象に法人カードの募集
  • 月間の使用限度額は「30万円以内」
  • 加盟店での販売限度額は、当初1回あたり10万円以内に設定
  • 会員のカードの有効期限については、1年に限定

これをみるとダイナースクラブと同様に、富裕層をターゲットにしていたことがよく判ります。1961年当時の物価は、大卒初任給(公務員)12,900円、ラーメンは50円なので、入会金の1,000円も結構高い設定となっているようですね。

現在のラーメンを500円として計算すると、入会金は約10,000円となりますからね。

サインや印影をラミネート加工し、カードの中に封じ込んだJCB

クレジットカードをプラスティック製にしたのは、ダイナースクラブですが、JCBはそれに更に加工を加えて、サインや印影をラミネートの中に封じ込んだのです。

デザインが印刷された両面2枚のプラスチックのセンターコアの表面にサイン(必須)と捺印(任意)を記載し、それを2枚の透明プラスチックで挟み、ラミネート加工しています。

当時は様々なプラスティック製のクレジットカードが発行されていましたが、この技術を採用したカードは、JCBのクレジットカードのみだったそうです。

ダイナースはJCBよりも少し先行して創立していますが、カード自体の発行はほぼ同時期なのです。

それにしても、両社とも富裕層をターゲットにターゲットにしているところは、戦略として一致していたのですね。

現在の形に落ち着いたのは1972年!その後仕様がドンドン変わる

現在はICチップ型が主流ですが、先ず最初にクレジットカードに個人情報を書き込む「磁気ストライプ型」になったのは、1972年からです。

大手都市銀行が着手!銀行統一仕様を制定

磁気ストライプは大手銀行がCD(キャッシュディスペンサー)とキャッシュカードとの整合性を図るために、銀行統一仕様を制定したのが始まりです。

  • カード会社6社も「NTT規格」を採用し統一規格とした
  • 銀行統一仕様がJIS規格となる
  • 76年にISOによって規格変更
  • 79年にJIS規格も変更
  • 98年3月に規格変更

このように磁気ストライプを巡っては、規格が何回も改正されて現在に至っています。

磁気ストライプ型は、長い間利用されてきました。その中で、スキミングなどのカード犯罪も増加してきたのです。

その犯罪を防ぐために、次のICチップ化への移行が始まるのです。

日本は2001年からICチップ型に移行開始!2020年に100%

磁気ストライプは小さくても情報量を多く保存することが可能ですし、なによりコストがかからないメリットがあります。

ですが、スキミングなど情報を盗むことは簡単なので、セキュリティは貧弱なのです。

セキュリティ強化のために2001年からICチップ化

クレジットカードの先進国はアメリカですが、本格的にICチップ化に移行したのは2014年からです。

ICチップ説明画像

当時のオバマ大統領が「カードセキュリティに関する大統領令」を発表して、初めて本格的にIC化に着手しているのです。

  • 日本は2001年からICチップ化に着手
  • アメリカのカード会社が消極的だった
  • 2014年からアメリカも本格的にIC化に着手
  • 日本国内でも一気にICチップ化が加速

2020年までに100%ICチップ化!割賦販売法を改正

日本では2020年に開催される、東京オリンピック・パラリンピックまでに割賦販売法を改正して、国内の全てのクレジットカードをICチップ化することになっています。

  • 2016年に割賦販売法を改正
  • 2020年までにクレジットカードを100%ICチップ化する
  • 決済端末もICチップカードに準拠させる
みなさんもお気づきのとおり、マクドナルドやローソンなどでは、ICチップカードを自身でリーダーに差して決済するようになってきています。

海外でもICチップ化は進んでいますが、カード会社によってはまだ磁気ストライプ型を採用しているところもありますからね。

世界で一番安全なクレジットカード利用環境は日本になる

今回は、日本のクレジットカードの歴史を特集してみましたが、如何でしたでしょうか。まさか、月賦が江戸時代から行われていたことには驚かれたことでしょう。

今治市に訪れた際には、「月賦販売発祥祈念の碑」を見学するのも良いかも知れませんね。

現代では、まだまだクレジットカードについては後進国ですが、2020年には世界で最も安全にクレジットカードを使える国になることは間違いないでしょう。

みなさんも、ご自身のクレジットカードがICチップ型でないのであれば、カード会社に交換してもらってくださいね。

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